新しい環境に飛び込んだとき、誰もが最初に感じる不安。
それは「知らないことが多すぎる」ことではなく、「自分が何を知らないのかすら分からない」という感覚かもしれません。
頭の中がモヤモヤしているのに、どこから質問すればいいのかもわからない。
「これって聞いていいのかな?」「調べれば出てくることかも…」と悩み、結局ひとりで抱え込んでしまう。
でも安心してください。
実はその感覚は、誰もが通る道です。
今回は、そんな「わからないことがわからない」という新入社員特有の悩みについて、僕自身の体験も交えながら、解決のヒントをお伝えします。
何が分からないのかも分からないのが新入社員

社会人の皆さんは、必ず「1年目の新入社員」という時期を経験してきたと思います。
そのときにこんな悩みを抱えませんでしたか?
「わからないことがわからない」
きっと先輩や上司は「わからないことがあれば聞いてね」と声をかけてくれていたはずです。
でも実際には、
- そもそも何がわからないのかわからない
- わからないことが多すぎて整理できない
- どのレベル感から質問していいのかわからない
そんな状況に陥ることが多いのではないでしょうか。
僕自身、昨年新入社員だったときにまさにこの悩みに直面しました。
新しい環境では、何が「分からないこと」に該当するのかを自分で判断すること自体が難しいのです。
「分かっているつもりだったけど実は認識が違った」ということもよくあります。
では、どうすればこの問題に向き合えるのでしょうか。
今回は、僕の経験も踏まえながら「わからないことがわからない」ときの対処法をご紹介します。
1. 「わからない」の定義を自分なりに持つ
「わからないことがあれば聞いてね」と言われても、何を「わからない」とみなすかは人によって曖昧です。
だからこそ、自分なりの基準を持つことが大切です。
僕の中での「わからない」の分類は大きく3つです。
(1)初めて聞く単語や用語

社会人になると、初めて聞く単語や専門用語が次々に出てきます。
「コンプラ」「ペンディング」「MTG」「アジェンダ」など、略語や横文字が飛び交うことも珍しくありません。
これは「わからない」と気づいた瞬間に解決するのがポイントです。
- まずは自分でインターネット検索する。
- 一般的な言葉ならすぐ解決できる。
- ただし、社内独自の略語や文化的な用語は調べても出てこないことがある。
その場合は、迷わず先輩に聞きましょう。
そして聞くときには、「自分でも調べたけど分からなかった」と一言添えると、相手も快く教えてくれるはずです。
(2)自分が進めている作業が正しいか不安なとき

慣れない作業を進めていると「これで合っているのかな…」と不安になります。
僕も資料作成を頼まれたとき、「どのレベルまで詳細を書けばいいのか」「図にするべきか文字でまとめるべきか」が分からず、ひとりで抱え込んでしまったことがあります。
そんなときは、作業を小さなステップに分け、区切りごとに確認してもらうのがおすすめです。
例えば、
- 「まず全体の構成を確認してもらう」
- 「次に内容を埋めて確認してもらう」
- 「最後に表現やフォーマットを整える」
といった段階に区切っておくと、方向性がずれるリスクを減らせます。
いきなり最後まで進めてから「やっぱり違いました」となるより、早めに軌道修正できるので安心です。
(3)お願いされた仕事の精度やレベル感

先輩や上司から依頼される仕事は、経験者なら感覚で求められる水準を判断できます。
しかし、新入社員にはまだ難しいものです。
たとえば「簡単でいいから資料を作って」と言われても、「簡単」とはどの程度を指すのかは人によって違いますよね。
そんなときは依頼者と最初にすり合わせましょう。
- 「これはこういう意図ですか?」
- 「この粒度で大丈夫ですか?」
確認ベースで質問するだけで、仕事の精度もスピードもぐっと上がります。
「無駄なやり直し」を防げるのは大きなポイントです。
2. 「わからないのは当たり前」と受け止める

新入社員は、半年前まで学生だった人たちです。
学生時代は課題が明確に与えられる環境だったため、自分で基準を決めて取り組む経験が少ない人も多いでしょう。
だからこそ、最初のうちは「わからないことが多い」のは当然です。
大事なのは「分からないからダメだ」と落ち込むのではなく、どう解決していくかを工夫する姿勢です。
僕自身も「先輩に聞いたら迷惑かな…」と遠慮していた時期がありました。
でも、後から「なんで早く聞いてくれなかったの?」と言われた経験が、考え方を大きく変えてくれました。
「分からないのは恥ずかしいことではない」と理解することが、成長の第一歩だと思います。
3. 新入社員の特権を活かす

新入社員には「なんでも質問できる」という特権があります。
2年目以降になると「今さら聞けない…」と遠慮してしまうことも増えます。
だからこそ、最初の1年は積極的に質問し、失敗を恐れずに挑戦してみることが大切です。
また、先輩や上司側にも大切な役割があります。
新入社員が「わからないことがわからない」状態に陥っている前提で、
- 「ここまでは調べた?」
- 「このあたりが不安?」
と、情報を引き出すような質問を投げかけてあげると、新人は安心して話しやすくなります。
これは新人教育において、とても効果的なサポートだと思います。
まとめ

- 「わからないことがわからない」は誰もが通る道
- 自分なりの「わからない」の基準を持つと整理しやすい
- 質問するときは「自分でも調べたけど分からなかった」と伝える
- 仕事は小さく区切って確認をもらう
- 精度が分からないときは最初にすり合わせ
- わからないのは当たり前。大切なのは解決への姿勢
- 新入社員の特権は「なんでも聞けること」。遠慮せずに活用しよう
新入社員の皆さんは、ぜひこの特権を活かしてどんどん質問してみてください。
そして先輩や上司の皆さんも、「わからないことがわからない」状態を理解しながら、サポートしてあげられるといいですね。
最後に…

新入社員の時期は、これまでの人生で一番「できない自分」と向き合う瞬間かもしれません。
でも同時に、それは一番「成長の伸びしろがある時期」でもあります。
わからないことが多いのは当たり前。
大切なのは、それを恥ずかしいと思うか、チャンスだと思うかです。
もし今、あなたが「わからないことがわからない」と悩んでいるなら、胸を張ってこう言いましょう。
「今の自分は、無限に成長できる可能性を持っている」
質問することも、失敗することも、遠慮なくできるのは新入社員だけの特権です。
どうかその特権を存分に使って、一歩ずつ前に進んでみてください。
未来の自分が振り返ったとき、きっとこう思えるはずです。
「あのとき悩んでいたからこそ、今の自分があるんだ」と。